Foto, Christoph Schleiss

神戸出身。大阪音楽大学ピアノ科を卒業後、アムステルダム音楽院で室内楽や歌曲伴奏を研修し、ポストグラデュエート・ディプロマ取得、さらにチューリッヒ芸術大学にてハルトムート・ヘル教授のもとで歌曲伴奏の研鑚を積み、コンサートディプロマを最優秀で修める。ディートリッヒ・フィシャー・ディスカウをはじめ著名な歌手や歌曲伴奏者によるマスタークラスを多く受講し、現在のリートピアニストになる基盤をつくった。

加藤哲子のコンサートプログラムは、テーマに沿ったストーリー性を持つもので、現代作曲家、スイス人作曲家の世界初演、邦人作品など、多くのレパートリーの中から様々な年代の作品を取り上げている。2015年、自ら主宰するコンサートシリーズ「Musik am Ritterweg」が、在スイス日本国大使館の外交関係樹立150周年の記念事業に承認され、スイス人作曲家W・ギーガーの委嘱作品「めぐりあい」(良寛と貞心の和歌より)を含むプログラムを上演。

独自のコンサートプログラムは、大阪音楽大学推薦演奏会(オペラハウス)ザ・フェニックスホール大阪「エヴォリューション・シリーズ」東京都北区北とぴあ国際音楽祭の公募で入賞、上演し、高い評価を得る。

在スペイン日本領事館(バルセロナ)在トルコ日本大使館からも演奏依頼を得て、これらのコンサートプログラムを現地で上演する。日本とヨーロッパの主な都市や音楽祭で、歌手や室内楽奏者とリサイタルを行う。コンセルトヘボウ・アムステルダムパウ・カザルス・ホールメルシン国際音楽祭ルツェルン・文化センター(KKL)東京文化会館など。

2013年にノルウェーの歌手ウラ・ヴェストヴィークと共演した「グリーグ歌曲」は、批評家、濱田滋郎のベストコンサート第2位に選ばれた(「音楽の友」)。

長年チューリッヒ芸術大学カトリン・グラフの声楽クラスの伴奏を受け持ち、彼女のリート・マスタークラスで公式伴奏員を務める。またシオン・国際マスタークラスでブリジット・バレー声楽クラス、サルネン・国際ホルンフェスティヴァルでラドヴァン・ヴラトコヴィチ、芦屋でのエリー・アメリングのマスタークラスで公式伴奏を務める。

チューリッヒ・ロートファブリック・テアター、ヴィル音楽テアターでオペラ・プロジェクトにコレペティトーアとして従事。

2008年よりチューリッヒ州立成人のためのマトゥーア校(大学入学国家試験)で指導する他、2014年からスイス・カライドス音楽大学で声楽科の公式伴奏員を務める。

2020年建築家の水谷玲子と音楽と建築のコラボレーション『ゴールドベルク変奏曲 J.S .バッハの家』をルツェルンで初演。同年CDアルバムを発表し、2021年3月号レコード芸術海外盤特選盤として推薦される。